Mix

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ドラえもん最終回

亮祐:ねえ、ドラえもんって知ってる?

翔:知らない奴を探す方が難しいだろ。

亮祐:でもそのドラえもんに最終回があるのは知らないでしょ?

翔:知ってる。

亮祐:え!なんで!?

翔:つーか前に映画で「帰ってきたドラえもん」やってたし。

亮祐:そっか…。でもドラえもんの最終回ってそれだけじゃないんだよ、実は。と、言う訳で記念すべき本館Mix第一弾はドラえもん最終回です。

翔:これ前フリかよ!!

亮祐:ドラえもんには現在最終回と呼ぶ事のできる話が3種類。どれも昭和40年代に描かれたものなんだって。でも内二本は残念ながら単行本未収録らしいけど。

翔:もしかして残り一本が映画でやったやつか?

亮祐:ご名答。てんとう虫コミックス第6巻収録の「さようなら、ドラえもん」なの。その続きのエピソードになる「帰ってきたドラえもん」と セットで98年春に映画化されたってワケです。

翔:けど、なんで3つもあるワケ?

亮祐:ではその理由も解説しながらあらすじを発表していきましょう。

最終回その1:(タイトルなし)

最終回その2:(タイトルなし)

最終回その3:さようなら、ドラえもん

亮祐:まずは最初に最終回を迎えたのは「小学四年生」昭和46年3月号から。この3月号を読んだ読者が次に読むのは「小学五年生」4月号になるんだけど、当時は「小学五年生」には『ドラえもん』は連載されてなくてこの3月号で完結となるストーリーが描かれたの。いわゆる学年視特有の事情による最終回ってやつで。「小学四年生」自体には、その後も『ドラえもん』の連載は続いているそうだよ。その1年後、「小学四年生」昭和47年3月号にも、同じ理由により最終回が描かれたのが最終回その2。これは昭和48年に日本テレビ系で放映されたアニメ『ドラえもん』の最終回ストーリーのモチーフにもなってるらしいよ。その3が「小学三年生」昭和49年3月号には、御存じ「さようなら、ドラえもん」、初出時タイトル『「みらいの世界へ帰る」のまき』。この最終回掲載の背景については、少々前の2つと事情は異なってて、当時の日本テレビ版『ドラえもん』が不人気で放映終了したことや、藤子・F・不二雄先生自身が新たな学年誌の新連載を控えていたことで、本当に『ドラえもん』を完結させる意味で描いたそうなの。次の号の「小学四年生」昭和49年4月号には『ドラえもん』を掲載しないつもりでね。けど藤子・F・不二雄先生自身の『ドラ』に対する思い入れの深さもあって結局「小四」昭和49年4月号には「帰ってきたドラえもん」が掲載されて復活したの。ちなみに余談だけど「さようなら、ドラえもん」のラストのコマの右隅にある部屋のクズカゴには「LOVE・LOVE・LOVE」と書いてあるんだけど初出時では「OWARI・OWARI・OWARI」と書いてあったんだって。

翔:なるほどな。

亮祐:ストーリーに目を向けると三つの最終回に共通してるのは結末が「ドラえもんが未来の国に帰る」ってことだよね。理由は

●「小四」S46年版…時間旅行が禁止されたため、帰らなければならなくなった。
●「小四」S47年版…ドラえもんがいるとのび太に頼り癖がついてしまうため、帰ることになった。
●「小三」S49年版…不明

…となってるの。小三の「さよなら、ドラえもん」で帰る理由が不明なのはテレビと映画でも同様だよ。先生思いつかなかったのかな?

翔:いや、違うと思う。

亮祐:ところで未収録の2本は読んだことのある人なら名作の誉れ高い「さようなら、ドラえもん」と比べると終わり方がややあっけないと思った人も多いと思う。どちらも、連載初期ドラえもん特有のドタバタの匂いを強く感じる作りになってるから。 けどここで補足しておくと、「さようなら、ドラえもん」も雑誌初出時では結構あっさりとした終わり方をしてたんだよね。単行本に収録されているものは原稿所在不明などの諸般の事情により、漫画を単行本に収録する際、他人が雑誌などからトレースしたものを掲載するトレス版で、何コマか藤子F先生自身によって描かれたコマが混ざってるんだよ。

翔:え、マジで!?

亮祐:マジです。この部分が、ぶっちゃけて言えば単行本収録の際に描き足された部分なの。 初出じゃ、ドラえもんがボロボロののび太に肩を貸して家に向かうシーンの次に、いきなり、のび太が部屋で座りながら「ドラえもん!きみが帰ったら、へやがガラーンとしちゃったよ」という最後のコマに繋がって終わってるの。

翔:そうだったのか。

亮祐:でも本題はこれから。ドラえもんの最終回はさっき説明したこの三つなんだけどこれ以外にも最終回が存在するの。とはいっても藤子不二雄先生が書いたものじゃなくていわゆるチェーンメールとかで出回った二次創作ってやつなんだけど。そちらもどーんといってみましょう。

ドラえもん最終回二次創作

科学者編

植物人間編

植物人間編その2

成長編

強制送還編

未来崩壊編

時空法改正編

機械帝国編

指名手配編

亮祐:タイトルの〜編というのはわかりやすいよう管理人が勝手に名付けたものです。後ドラえもん最終回集サイトというのもあります。中でも一番有名なのは科学者編ですな。あまりの凄い出来にチェーンメールで出回った上に週刊誌でも取り上げられたんだよ。 漫画版フラッシュ版もあるくらい。

翔:確かに藤子不二雄が書きましたって言われて信じても不思議じゃないよな。

亮祐:でも僕が一番好きなのは植物人間編だけどね。

翔:死にネタ好きは相変わらずか。それにしてもずいぶん詳しいな。

亮祐:だって藤子不二雄ファンページ藤子不二雄atRANDOMのドラえもん最終回解説にあったし。

翔:感心して損したよ。

 

最後に、強調しておきたいのは、「『ドラえもん』には原作者自身の手による最終回が存在する」といっても、描かれたのはいずれも漫画『ドラえもん』の人気が確立していなかった昭和40年代のことで、『ドラえもん』の連載自体はその後も続いています。特に昭和50年代に入り、テレビ朝日でアニメ化されて以降は一切最終回らしき話は描かれていません。そういう意味では、あくまでも『ドラえもん』は未完の作品です。

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