「けど、それでも悪ィと思ってんなら…」
シャドウが五月の顎を持って少し上に向かせる。
―――何をする気なのだろう。
考えたが解らなかった。
「キス一つで許し……」
―――バキイイィィィッッ!!!
言い終わる前に、シャドウの顎に五月のファイナル・ストライクスクリュー・アッパーバージョンが炸裂した。
「てめえのおかげで思い出したぜ…! 何で俺がこれを置いてったかな…!!」
血だまりに浮かぶシャドウに向けて五月は怒りに震えた言葉を告げた。
そう。五月は逃走旅で二人きりになればところ構わず襲ってくるであろうシャドウから自分の身を守る為にタナトスの書を置いて行った。
詳しく言えば自分の貞操を守る為に。
「シャドウのあれは相変わらず、か……」
「つーか、シャドウ兄といい、陸月兄といい、なんで五月兄ばっかモテんだろうな。男限定で」
長月と如月は再び始まる五月の受難に同情し、溜息を吐いていた……。
END
亮祐:管理人です。すみません、オチがこんなんで……。
翔:謝るなら書くなっての。
亮祐:そして五月の受難が再開したのです。ではこの辺で。
BGM:『夢じゃない』/スピッツ