EMPTY A CONCEPTION

incomprehensible speech and behavior 3

Photo:ゆんPhoto Catalog モドル | トジル | ススム

 ローズレイクで座り込んでいる亮を見つけたのはトーヤだった。

「何してるんだ?」
「おみやげをつくってるんだよ? クローバーのかんむりv」

 得意げに話すと亮は再び歌い始めた。
 それは澄んだ歌。
 森の中で聞いた水滴のような歌。
 歌い終わったと同時に手の中にあったクローバーも冠へと形を変えていた。

「つくるのは得意なのか?」
「うんv おかあさんがつくってくれたから」

 あまり長い間、一緒に居られなかったけれど。

『ほら、できたよ』

 脳裏に、母の声が甦る。

『おかーさんはきようだね』
『昔、好きな人にあげようと必死で練習したからね』

 口元に微笑を浮かべる母。
 けれどどこか哀しそうに見えた。

「いつもね、かんむりをつくるときはうたいながらおねがいしてつくるんだよ? 『かれませんように』って。そうするとぜったいにかれないかんむりができるの。いままでつくったのぜんぶいえにかざてあるんだv」
「そうか……」

 アレフから聞いた話しによれば亮は昨日、喋り方も声も幼かったと。
 だが今の亮は昨日聞いた『亮』よりも更に幼いように思えた。

「……名前は?」
「名前?」

 名前を聞かれて亮は元気よく答えた。

「リトル!!」

 嘘偽りのない、純粋な笑顔で。





 


亮祐:管理人です。この後トーヤは話しをしようと思った途端、遅くなるからといって『リトル』は何処かへ行ってしまったという事でご勘弁ください・・・.。m(_ _)m
翔:書けよ、ちゃんと。
亮祐:名前の方も変更しました。うん、こっちの方が良い。


BGM:命の儚さ/「煉獄庭園」

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