ローズレイクで座り込んでいる亮を見つけたのはトーヤだった。
「何してるんだ?」
「おみやげをつくってるんだよ? クローバーのかんむりv」
得意げに話すと亮は再び歌い始めた。
それは澄んだ歌。
森の中で聞いた水滴のような歌。
歌い終わったと同時に手の中にあったクローバーも冠へと形を変えていた。
「つくるのは得意なのか?」
「うんv おかあさんがつくってくれたから」
あまり長い間、一緒に居られなかったけれど。
『ほら、できたよ』
脳裏に、母の声が甦る。
『おかーさんはきようだね』
『昔、好きな人にあげようと必死で練習したからね』
口元に微笑を浮かべる母。
けれどどこか哀しそうに見えた。
「いつもね、かんむりをつくるときはうたいながらおねがいしてつくるんだよ? 『かれませんように』って。そうするとぜったいにかれないかんむりができるの。いままでつくったのぜんぶいえにかざてあるんだv」
「そうか……」
アレフから聞いた話しによれば亮は昨日、喋り方も声も幼かったと。
だが今の亮は昨日聞いた『亮』よりも更に幼いように思えた。
「……名前は?」
「名前?」
名前を聞かれて亮は元気よく答えた。
「リトル!!」
嘘偽りのない、純粋な笑顔で。
亮祐:管理人です。この後トーヤは話しをしようと思った途端、遅くなるからといって『リトル』は何処かへ行ってしまったという事でご勘弁ください・・・.。m(_ _)m
翔:書けよ、ちゃんと。
亮祐:名前の方も変更しました。うん、こっちの方が良い。
BGM:命の儚さ/「煉獄庭園」