「葉月の様子が変っ!?」
アレフが勢いよく立ち上がり、反動で目の前のティーカップを倒しかけた。
「そうなの。ここ最近葉月ちゃんに元気がないのよ。それどころか、なんだか私たちの前では無理して笑ってるようなカンジで……」
「そういわれてみれば……」
アリサの言葉でリサは思い出していた。
最近、葉月はよく溜息を吐いていた。
何かあったのか訊いてもなんでもないと返すだけ。
「今日の仕事のときもため息吐いてたよね、葉月……」
「ボクも心配っス……」
マリアとテディも葉月が心配だった。
いつも満開の笑顔を振り撒いている葉月。
それは自分達の心の支えにもなっていた。
なのに今の葉月からはその笑顔が消えている。
「おっし、決めたっ!」
机を叩いてアレフが立ち上がった。
「葉月に直接訊いてくるっ!」
「ちょっとまって、アレフクン」
「まつっスよ、アレフさんっ!」
葉月の部屋がある二階へ上がろうとしたアレフをアリサとテディに止められる。
「なんでだよっ! 考えるより直接聞いた方が早ェだろっ!?」
「確かにそうなんだけど……」
「だったらっ!」
「アレフさんっ!」
「葉月さんなら買い物に行ってていないっスよ」
その言葉に思い切り頭をぶつけていた。
「買い物ってことは夜鳴鳥雑貨店よね? マリア行っきまーす☆」
「まちなってマリアっ!」
「――って、おいっ! おいてくなよっ!」
頭を擦っていたアレフも慌てて飛び出していった二人の後を追いかけた。
亮祐:管理人です。アレフ視点の話しばっか書いてますな。この後アレフ達は葉月を追いかけて夜鳴鳥雑貨へ行きます。ではこの次で。
BGM:『スカーレット』/スピッツ