キン肉マン原作&アニメ沿い連載夢小説「Amadeus」

criminal  2

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「「すいませ〜ん」」

 二人の子供がホテルのボーイ中の与作さんに声をかけた。

「おお〜、ちゃんとくん。どうしたぜよ?」
「おじ…ブロッケンマンがとまってるへやはどこですか?」
「う〜ん…教えてやりてぃが、選手じゃねぇしなぁ…」
?」

 向こうからした声。
 は声がした方へ振り向いた。

「おじちゃん!」

 の嬉しそうな笑顔がブロッケンマンの瞳に写った。










 ボーイの与作さんに別れを告げ、ブロッケンマンに通された部屋は綺麗で広かった。
 椅子に座り、スィートルームだと説明を聞きながら出された紅茶を飲んだ。
 ブロッケンマンも二人の前に座り、話しかけてくる。

「紅茶は口に合うか?」
「うん! すっごくおいしい!」

 紅茶なんて久しぶりだ。
 キン肉ハウスに居候が決まってからはジュースはおろか、味が付いた飲物を口にすることがなかった。
 それ自体に文句はないが、久しぶりの紅茶の味にの心は弾んだ。

「よくここがわかったな」
「うん! エデンにきいてきたから」

っ!」

 を止めるように声を荒げながら席から立ち上がった。
 はドイツ語を知らないので二人の会話の詳しい内容はわからない。
 けれどが出した単語に反応した。

「やはりそうか」

 その言葉にはブロッケンマンを睨みつけた。
 小さくても、の傍にいる者だ。
 少しでも動けば行動に移すだろう。
 まずはその警戒を解く必要がある。
 ブロッケンマンはに解るよう、不慣れだが日本語で話した。

「そウ警戒しなクていい。俺モ一応関係者だ」

 その言葉には目を見開いた。
 ブロッケンマンは立ち上がり、の目の前で片膝をつく。
 そしてその小さな白い右手を取り―――

「全ては、エデンとアマデウスのために」

 そういって手の甲に口付けた。
 ブロッケンマンの仕種には体の力が抜けるていくようにストン、と椅子に座った。
 も目を白黒している。
 ブロッケンマンにその仕種とその言葉を言われるとは思っていなかった。
 寧ろ、それを知っていることに驚いた。

「りょ、、トイレに行ってくる!」

 は椅子から立ち上がり、慌てて部屋に備え付けのトイレへ駆け込んでいった。

 駆け込んだはトイレには入らず、洗面台の鏡を見ていた。
 そっと己の頬に触れてみる。
 鏡に映るの頬は赤らんでいる。
 トイレに駆け込んだのは用足したかったからではない。
 この赤らんでしまった頬を見られたくなかったからだ。

(なれないんだもん、あれ……)

 弟や家族からされるのも慣れていないのに、まさか最近出逢ったばかりのブロッケンマンからされるとは思ってもいなかった。
 そこで、の中に一つの疑問が生まれる。

(あれ? そういえば……)

『全ては、エデンとアマデウスのために』

 ―――おじちゃんはどうしてあれを知ってたんだろう。

(確か、おかあさんはたちしか知らないことだって……)

 ―――それに 誓いの言葉をいったのに何も起こらなかった。

 首を傾げて、しばらくの間考えてみる。
 けれどさっぱりわからなかった。

「きけばわかるよね」

 そう結論付けて二人の元へ戻って行く。

 部屋へ戻ると特に変わった様子もなかった。
 あるとすれば、が俯いたまま黙り込んでいる事くらいか。
 は特に気にもせず先ほどまで座っていた席に戻ろうとしたが、に腕を掴まれた。

「帰ろう」
「え? でも―――」
「いいからっ!!」

 そう言うや否やは立ち上がり、の腕を引っ張って玄関へと向かって行く。

「ちょ! ちゃ―――」

 抵抗するも非力なが叶うわけもなく、ずるずると引っ張られていく。
 諦めて、ブロッケンマンへ振り向いて―――

「おじちゃん、またねっ!」

 そう言って手を振った。
 ブロッケンマンは控えめに手を振ってくれた。
 そして、二人は部屋から出て行った。










ちゃん! ちゃんっ!」

 ホテルを出てから一向に腕を放さないまま、歩き続けるは話し掛けた。

ちゃん! どうして急に―――」

 そこで、何の前触れもなくの足が止まった。
 様子がおかしいと感じては俯いたままのの顔を覗き込む。

ちゃん?」

 伝う水滴。

ちゃん、どおして―――」



「どおして、ないてるの?」

 無言のまま涙を流す、の頬に触れる。
 はそれに手を添えて、しばらくの間泣き続けていた。





 


亮祐:管理人です。前の話からものすごい時間が経過してしまった。
翔:一年以上経過しちゃってる(゚д゚lll)!!
亮祐:遅筆と雑食って本当恐ろしいですね……( =_=) トオイメ とにかく、子供たち二人揃ってブロッケンマンに会う編でした。 今回本当はブロッケンマンにはJr.の話とかもしてもらう予定だったのですが、これ以上書いてたらもっと遅くなってしまうと思ったのでこういう形になりました。それにうまいことくんがを連れ出してくれましたし。良かった良かった。
翔:というより、書いてたら予定と違っただけだろ。
亮祐:そうともいう……( =_=) トオイメ えー次回は管理人が一番書きたいシーンです。血生臭い話は書いてて楽しいなぁ……☆.。.:*(//∇//) .。.:*☆ウットリ
翔:趣味悪ィッ!!
亮祐:では続きます。


BGM:禁じられた遊び/ALI PROJECT
     聖少女領域/ALI PROJECT

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