キン肉マン原作&アニメ沿い連載夢小説「Amadeus」

future dream

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 これは、超人オリンピック開催初日の朝の出来事。





 見て、あれ。スグルおにいちゃんが胴上げされてるよ?
 空中で、なんて初めてみるよな。胴上げしてるのはテリーマンとミートと…あ、キン骨マンまでいるぜ

 ねぇ、これってもしかして……
 そうだろうな。すっげー人だし、見たことねぇ超人もいるし

 おにいちゃん、すごく嬉しそう
 だな

 あ、今おにいちゃんと目が合った。

 こっち見てる、おにいちゃ〜ん
 何いってんだよ。今のオレたちの姿が見える奴なんているワケねぇじゃん。偶然だって。手ェふっても無駄だぞ

 そうかなぁ? まだこっち見てるのに……
 そうだって。

 あ? 景色変わってく?
 あ、ほんとだ。今日は連続なんだね。

 これは……試合? 誰かがリングで試合してる?
 片方はさっきの場所にもいたぜ?

 うん、あのおじちゃんはさっきのトコにも…………

 え……?





 はっきりと目が覚めた。
 むくっと身体を起こし、似たような髪形の二人の子供はお互いを見る。

「見た? 今の」
「ああ」
「あれってスグルおにいちゃんが優勝するってことだよね? すごいのを見ちゃったv」
「ああ…」

 ウキウキ気分で隣りで眠るスグルを見ているに反し、はどこか元気が無かった。

、後に見たやつ覚えてるか?」
「ううん。ちゃんは?」
「オレも覚えてない」

 が元気が無かった理由はそれだった。
 最初見た夢はしっかり覚えている。
 けれど次見た夢は全く覚えていなかった。
 確かに見たというのに。

「ただの夢だったのかな?」
「それはねぇよ。二人で見たんだぜ?ただの夢を二人で見れるワケねぇもん」

 唯の夢である訳がない。
 最初見た夢同様、後の夢も二人で見たから。
 こんなことは初めてだった。
 確かに見たのだ。
 それなのに忘れてしまうなんて。
 只の夢なら忘れてしまっても気にはしないのだが、そうでなければ別だ。

 あれは絶対、ただの夢ではないから。

ちゃん、くん」

 その時、外に出ていたミートが帰ってきた。
 それを見たは立ち上がり、ミートの額にキスをする。
 ミートも頬を少し赤らめながらもキスを返した。

「おはよう、ミート」
「おはようございます。もうすぐ朝食にしますから王子を起こして顔洗ってくださいね」
「オッケー♪」

 続いて楽しそうに答えたは隣りで今だ眠っていたキン肉マンに目を向ける。

「キン肉マン、おっきろーーーっ!!」

 そしてその上に思い切りダイブした。

「ぐえあーーーーっ!!!」

 たまらずキン肉マンは布団の中から飛び起きた。

「こりゃあっ!くん何するんじゃーーーっ!!」
「キン肉マンはこうでもしねぇと起きねぇじゃん!」

 涙目で起こるキン肉マンにはニヒヒと楽しそうに笑った。
 本当なら一発でもぶん殴りたいところだが相手は子供だ。
 殴るわけにはいかない。

 はそんなキン肉マンに両手を伸ばし、だっこを要求する。 
 むしゃくしゃしていたキン肉マンだったがその純粋な笑顔に機嫌を良くし、を抱き上げた。

「スグルおにいちゃん、おはよv」

 そしてはキン肉マンの額にもキスをする。
 キン肉マンも勿論キスで答えた。
 二人が来てから朝の挨拶として額にキスをするのが習慣となっていた。
 勿論限定で。

「おはよう。ちゃんは早起きじゃの」
「うんvだって今日から超人オリンピックなんだもん。」

 そう。今日は超人オリンピック初日。
 超人オリンピックには朝一番に場内入りした超人が優勝するというジンクスがある。

「おお、そうじゃ。ジンクスを実行して超人オリンピック優勝はわたしのものだ! わーーっはっはっはっ!」
「そんなんで本当に優勝すれば苦労しないんですけどね」

 気楽なキン肉マンにミートは溜息を吐く。

「大丈夫だよ、ミート」
「そーそー」

 そんなミートに

「優勝するのはおにいちゃんなんだもんv」
「な♪」

 そう言って、二人でくすくすと笑い合う。
 どうしてそう言い切れるのか、やはり子供だからか。
 キン肉マンとミートはただ頭を傾げた。
 その時にはもう、二人の頭から今朝見たことは忘れていた。





 これは、超人オリンピック開催初日の朝の出来事。
 子供達が視た二つの夢。
 これが後に、罪の記憶となることを
 まだ、誰も知らない…―――――





END


亮祐:管理人です。今回のfuture dreamいかがだったでしょうか?future dreamは和訳すると子供たちの能力丸解りとなっておりますのであえて解説しません。和英辞書で調べればすぐ出てくると思いますのでレッツトライ☆では今回はこの辺で失礼を。


BGM:『GLORIA 〜希望の光〜』/千住 明

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