「へぇ〜、こんな風になってたんだ」
長い廊下を読書家と手をつないで歩く。
でも普通捕まえてるんだから拘束とかしないのかな?
それともこれが拘束とか?
「おーい、みんなー」
読書家が向こうへ手を振る。
その先にいたのはやっぱり電脳6闘騎士(一名除く)だった。
「よく自由になれたねー。大変じゃなかった?」
「おかげでハゲるとこだったわッ」
「クルマンも……ま、ダイジョブか」
「決定事項なんだッ!?」
家電会社その1は無理矢理脱出したらしくボロボロで、クルマンもフォルムとかやっぱりボロボロだ。
でもボーボボだし。(鬼)
「はじめましてー。家電会社その2ー」
「もう一人って俺なんだ……」
「そして…………なんだっけ?」
どべしゃッ!!
長めのオールバックが盛大に転んだ。
「パナと同じ扱いかよっ!」
「え〜と、確か………オウ リュウガ?」
「読み方が違うっ!王 龍牙だ、ワン ロンガッ!!」
牢獄真拳の使い手「王 龍牙」
確かにそう言う名前だった。
「ゴメンゴメン。破天荒にすぐ倒されてたからさー。ぶっちゃけ家電会社その1より印象弱いかも」
「フザけやがって……!!」
キレたオウ リュウガ(違う)が襲い掛かってくる。
ボクは冷静にあの技で対処した。
「ものまね真拳奥義in鍵真拳奥義ROCK!!」
ボクは何の障害もなくリュウガの胸に鍵を差し込んでROCKした。
うん、やっぱりリュウガには鍵真拳だ。
ROCKしたリュウガを見てそう思った。
「よかったー。自転車の鍵持ってて助かった」
「自転車の鍵で止めちゃったの!?」
「しかもそれまわすやつじゃなくて押し込むだけの単純なやつだよね!?」
―――そんな安っぽい鍵で止められたんだ……
中古車と家電会社その2が落胆した。
「へー、すごいすごい」
読書家は笑っていた。(酷)
家電会社その1は一人リュウガを見ている。
「でも龍牙どうしよう?これからギガ様のところへ行かないと……」
「置いてく」(キッパリ)
「「詩人、それ酷すぎ」」
あー、そっか。これからあの人のとこに行くんだもんね。
「じゃあ責任とってボクが」
「大丈夫?」
「ノープロブレム♪」
読書家に答えながらリュウガをおんぶした。
――が
―――重い…
やっぱり無理があった。
ボクじゃあリュウガを運べない。
読書家やJなら運べるんだけどなぁ。
というよりJに運んでもらいたい。
むしろお姫様だっこしてもらって腰に抱きついて細さを堪能したい…!!
あ、本心でちゃった。
こなったらあれだ。
引きずろう。
「人間モップでGOー♪」
「「ひょわーーーーーーッッ!!!!!!」」
リュウガの足をもって引きずり出した途端、中古車と家電会社その2の悲鳴が木霊した。
二人とも慌ててボクからリュウガを奪い取る。
「詩人よか酷すぎだろーーーっ!!」
「俺たちで運ぼうっ! 初めからそうすれば良かったんだっ!!」
「わー、リュウガの髪ほこりとちりだらけー。ここちゃんと掃除してんの? ボクん家より酷いよ」
「「おまえのせいだろっっ!!!」」
まあ、そんなこんなでとにかくボク達は進み始めた。
しばらく歩いてると前方に見たことある景色が広がっていた。
吹き抜けの広い部屋。
黒い太陽。
一人の男が黒太陽のふもとにいる。
「おや、詩人」
シンプルだけどカッコイイスーツ
細い体つき。
首から上の玉ねぎ型。
黒いヒゲとサングラス。
「わざわざこちらへ出向くとは何かあったのですか?それに、こちらの方はもしや…」
愛しのJがそこにいた。
「Jだーーーーーーっ!!!」
「ブッ!?」
たまらずボクは押し倒した。
思ったとおりJの細い体はカンタンに押し倒せた。
「うー、J−、J−。会いたかったよー」
「あ、あの…」
「ボクね、前からJに聞きたいことがあるの。Jってさ、タマネギなの? ニンニクなの?」
「みんなが気になってたけどあえてしなかった質問すんなよっ!!」
「でも色からいってタマネギっぽいよねー。ニンニクなら白くないと変だし。じゃあタマネギさんってことで♪」
「はあ……」
「無視すんな、俺を!!」
「それにしてもタマネギさんってホント細いなー。でも抱きついた時にわかったけど胸板はけっこう厚いよね。ちょっと見せて♪」
「え!? な、何を……!?」
「だから無視すんなーーーーっ!!!」
何時の間にか復活してたリュウガの絶叫が響いた。
ボクは腹をはだけさせていたJから降りてリュウガを見る。
「おまえ自分が捕虜だって忘れてるだろっ!?」
「ああ、そうだっけ。覚えてるよ」
「そうだっけっつてる時点で忘れてたこともろバレだっつのっ!!」
「詩人、あの子は……」
「真拳使いの子だよ。ギガ様のところに連れて行くところ」
「やはりそうでしたか……」
Jが無言でボクを見てる。
何か考えてるのかな?
ボクを見てるからやっぱりボクのことかな?
それにしてもやっぱりカッコイイなぁホクホク(* ̄∇ ̄*)
「それじゃあJ、僕らをギガ様の所へ」
「わかりました」
「じゃあタマネギさんもいっしょに行こ」
「それはちょっと……」
「ダメ? ボクタマネギさんもいっしょがいい」
Jを見上げておねがいした。
服を掴んでじーっと見つめて。
頭にどうする♪アイ○ル〜♪のBGMが流れた。
「じゃあJも一緒に行こうよ。少しくらいなら大丈夫だろう?」
「詩人がそういうのであれば……」
「ヤッター♪」
喜んでJに右手を伸ばした。
Jは不思議そうに僕の手を見たけど、そっと手を添えてくれた。
ぎゅっと握った。
詩人も笑顔で改めてもう片方の手を握った。
「えへへ♪」
友達以外の男の人と手ェ繋ぐのって久しぶり。
今じゃもう、おかあさんと友達しかしてくれないんだ。
前は男の先生も手ェつないでくれたのにな。
けれど詩人以外のみんなすっごく不思議そうにボクを見てる。
何でかな?
詩人が捕虜のボク相手に笑顔だからかな?
でもいいや。
手ェつないでもらって嬉しいから。
理由が拘束でも嬉しい物は嬉しいんだ。
そしてボク達はJの黒太陽真拳でそこから移動した。
END
亮祐:管理人です。龍牙とJを出したら夢主がどんどん幼児化してしまいました。
翔:それが原因じゃないと思う。
亮祐:本当はギガさまのところまで行くつもりでしたが長くなったので分けました。ちなみに最後の方で皆が不思議そうなのは詩人が捕虜である夢主相手に笑顔ってのもありますが、今まで殆ど無表情だった夢主がこんな状況で笑顔な上に無警戒だからです。次で出会い編終わりです。ではこの辺で。
BGM:『見知らぬ惑星 1』/ボンバーマンジェッターズオリジナルサウンドトラック