Mix Dream

熊肉はマズかった

 車や標識や悪霊の残骸を見ながら、今後のことを考える。

 身の安全を思うなら逃げた方がいいのかもしれない。
 でも他の6闘騎士に会いたい。

 特にJに会いたい。

 むしろJだけ会いたい。





 他の奴らはいいからJに!!

 おっと、つい本音が。
 そういえばクルマンは大丈夫かな。
 テッパイと標識でブン殴ったから相当ゲガしてる筈。
 いくら6闘騎士とはいえ少しやりすぎたかもしれない。

「やっぱ様子見にいこう」

 ボーボボだから死ぬことはないだろうけど。

 クルマンの元へ向かおうとした飛んでった方角を見た。
 けどその時、引きずり込まれるような感覚。
 変わる景色。

「つかまえた」

 気が付くと赤い髪の男がボクを見下ろしている。
 ボクは仰向けになって胸には彼の手が回されていた。
 周りには一面無数の大きな本が散らばってる。

「あ、読書家だ」
「それ君なりの僕の呼び方?」
「だってそんなイメージなんだもん。あーあ、つかまっちゃった」
「……抵抗しないの?」
「してほしいの?」
「パナやクルマンのときそうだったから」
「してもいいけど」



「君、キレイだから。そのキレイな顔に傷付けたくない」

 読書家が面食らったような表情を浮かべる。

 あれ? 何か変なこといった?
 いや、そういうワケじゃなさそうだ。
 読書家は笑っていた。

「おもしろいね、君。今といい、パナやクルマンとの戦いといい、よくあれだけの人数を一人で倒せたね」
「実はボク、小学生の時に熊を倒して人間万国ビックリショーに出たことがあるんだ」
「ええっ!?」
「嘘でーす」
「だよね」
「万国ビックリショーだけね」
「熊は倒したんだっ!」Σ(゜ロ゜;)!!

 バックドロップで一発KOだったっけ。
 一度熊肉を食べてみたくて。

「本当におもしろいよ。でもそろそろ行かないと」
「行くってあそこ?」
「そう、あそこ」

 サイバー都市帝王の元に。
 ボクは詩人に連れられ、そこから出た。





 何故か手を繋いで。





END


亮祐:管理人です。夢主がどんどんとんでもない子に。でもこれくらいやらないとギャグにならんのですよ。詩人は夢主を気に入った様子。ちなみに「嘘でーす」は月曜いいともで昔やってた嘘つき四天王コーナーの香取調でお願いします。次は6闘騎士全員集合です。ではこの辺で。


BGM:なし