Mix Dream
これが、この世界での日常 side濃姫
部屋にいる筈のあの子を見かけた。
癖の強い白い髪。
狩衣を着たその姿。
大方脱出する為の手立てを探して城内を見てまわっているのだろう。
阻止しなければ
「考え事かしら?」
呼び止めると素早くこちらへと振り向いた。
「濃、姫、さん」
「駄目よ。考え事して歩くのは」
こちらを認識した途端顔色を悪くして。
「驚いたわ。上総介様が連れ戻したと聞いたのに部屋を覗いたらいないんだもの」
「す、すみません。トイ――はばかりに、行こうと思って……」
「なら誰か人を呼ばないと。あなたが一人で部屋に戻れたことないんだから」
微笑んで優しく言えば何も言えなくなってしまったようで逃げ出す素ぶりも見せなくなった。
「ほら、行きましょう? その後私の話し相手になってもらえないかしら?」
「そ、そんな、ボク如き一小姓が――」
「久しぶりにあなたが点てたお茶が飲みたいの。上総介様ったらいつもあなたを一人じめしてしまうんだもの。だから、ね?」
この子は自分に負い目がある。
だから自分がお願いすれば断るなんて出来ない。
この子は知らない。
私があなたを上総介様の色小姓だと知っていることを。
あなたが少年ではなく、女性だと知っていることも。
全部知っていて、何も言わないのだということを。
不意に、この子からする二つの香り。
一つはうっとりするような花の香り。
この子からよく香る、この子自身の香り。
けれどもう一つの、この独特な香りは―――。
(上総介様は帰ってきてからまだこの子に触れていない筈)
だって二人か交わった後、気を失ったこの子を身奇麗にするのは私なのだから。
考えられるのはまた光秀が手を出したか、あるいは
(他の者が)
手を、出したか―――。
上総介様のものが
何処ぞの誰かに
手を―――
「ああ、言い忘れてたわね」
ああ―――
「お帰りなさい、くん」
忌々しい―――
補足とか
・はじめは執着されてることに同情している濃姫様、のつもりだったのに
ど う し て こ う な っ た
・忌々しい=上総介様以外に足を開く夢主 ではなく
夢主に手を出したどごぞの為の骨(今回はこの直前まで一緒だった風魔)
・この後濃姫が報告したので信長は知ってた。ただし報告したのは夢主が城内で誰かとしたようだ、的な感じ。そもそも濃姫様も現場見た訳ではなく、ただ夢主が精液臭かったから解った。(え
・ちなみに手を出したといっても今回は今すると中の具合が変わってした事がバレてしまうからという夢主の希望で口でしたりしただけという経緯だった。しかしした事に変わりはないという。
濃姫
夢主が信長の色小姓だということを知ってる。
はじめの頃は信長に酷い執着をされている夢主に同情していたがあれだけ執着されておいて何故心動かないのか。何故他の男に足を開くのかとやきもきしている。
夢主に手を出す上総介様以外の男皆死ね(光秀も手を出してくる限り死ね)
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