「へー、そんな出会いだったんだ」
そこまで聞いたアリーシャは感動していた。
爆の母「涼華」とトラブルモンスターの睨み合い。
てこずった三人とは対照的にたった一発の弾丸で倒してしまった「涼華」。
全てが目に浮かんでくるようだ。
「かっこよかったんだろうなぁ……」
「――ったりめぇだろ。俺が始めて見初めた女なんだからな」
「とはいっても、あの時の激も僕も涼華を男だと思ってたけどね」
「……ちょっと待て」
ドスがきいた爆の声が部屋に響いた。
向けられたのは嵐の隣。
何時の間にかそこにいた激だった。
「なんでキサマがここにいるんだーーっ!?」
「なんでって、たまたま通りかかったら懐かしい話ししてたからないちゃ悪ィか?」
「そんなワケないじゃないか。大歓迎だよ」
嵐は笑っていた。
―――何で驚かないんだよ……。
全員がそう思った。
「しっかしまぁ、なんで昔話なんかしてんだぁ?」
「涼華がどんな人だったか聞かれたからだよ。どーせ放すならその頃のこと話しながらの方が分かりやすいでしょ?」
「あー、なるほどな……」
その返答に激は複雑そうな表情でポリポリと頭を掻いた。
あれから11年も経つが涼華の事を説明しろといわれて正確にできるか自信がない。
涼華はそう言う女だった。
「――で、どこまで話したっけ?」
「針の塔へ向かうことになったところまでよ」
「その後どうなるんです?」
「それは……」
ピンクとカイにせかされ、嵐は続きを話し始めた。
亮祐:管理人です。実はこの話パソコンノクラッシュで消えてました。よかった、ブロット残しといて……。悠久連載小説「EMPTY A CONCEPTION」の二の舞になるところでしたよ。ではこの辺で。
BGM:『"Knockout Drops”』/森川智之・石川英郎