再審請求指示投票を一ヶ月切ったとある日のミーティング後の出来事。
五月は考え事をしていた。
「う〜ん……」
「おまえいいかげんにしろよ、五月」
「どうしたんだい?ボウヤ」
「腕組みなんかしちゃってどうしたの?」
「何か悩み事でもあるんですか?」
五月の深刻な様子に業を煮やしたアレフ、リサ、マリア、クリスの四人が話し掛けた。
ここ最近、正確には12月の大武闘会が終わった頃から五月はこんな調子だった。
五月は重苦しく悩みを打ち明けることにする。
「実は、どうやったらシャドウの奴を捕まえられるかと思ってさ……」
「なるほどな……」
「難しい問題だね……」
「誘き寄せること自体、難しいからね……」
悩みの内容にアレフ、クリス、リサの三人も考え込んだ。
五月を陥れたと思われるシャドウ。
神出鬼没なのでいつ現れるか分からない。
その上、現れたとしてもすぐ消えてしまう。
捕まえるのは容易ではない。
「あ!」
何かひらめいたかのように指を鳴らしたのはマリアだった。
「マリア良い方法思いついた☆ねぇアレフ、ちょっと耳貸して」
「何々?………………なるほどね。そういうワケで…」
マリアに耳打ちされていたかと思うとアレフは怪しい笑みを五月に向けた。
そして五月の両肩を掴んだ。
「愛してるぜーーーっvv五月ーーーーーっっvvv」
「――って、急に何するんだ、アレフーーーッッ!!」
急にその場へ押し倒した。
アレフの突然な行動に皆の目は点になっている。
五月も戸惑いながらも必死で抵抗するがパニくっているためかいつもの力の半分も出ない。
「大丈夫、大丈夫♪痛くしねーからv」
アレフが楽しそうに五月の上着をたくし上げたその時、三人の男の声が響いた。
「「「キサマ何してやがるッッ!!このナンパ野郎ーーーーッッッ!!!」」」
何処からアルベルトとトーヤ、そしてシャドウが現れた。
槍とメス、そして上級魔法のカーマイン・スプレッドをアレフにブチかまし、三方向へ走り去って行った。
その結果、アレフは頭から血を流す人の丸焼きになった。
「い、一瞬だったけど本当に来ちゃった…」
「約二名、オマケつきだったけどね…」
「わぁーい♪『欲望のままに押し倒し作戦』大々成功☆」
「成功……じゃ、ねぇよ……」
クリス、リサが放心し、マリアの無責任さに死にかけなアレフが息絶え絶えでつっこみをいれた。
「俺、有罪になってたほうがよかったかもしれない……」
五月は複雑な心境で呟いていた。
ジョートショップから大声と爆音を町の住民達も聞いていた。
―――ジョートショップの居候は男だけにモテまくっとるなぁ……
実感して、同情した。
END
亮祐:管理人です。実は始めて書いた悠久小説がこれです。誰でも思いつきそうなネタを書いてくれちゃって。
翔:おまえが書いたんだろ。
亮祐:ごもっともです…。ではこの辺で。
BGM:『夢じゃない』/スピッツ