「フッフフ、おめでてえなおまえは・・・。八連制覇が格闘技試合だと。男塾三号生とスポーツ大会するとでも思ってるのか。顔洗って出直して来い」
「な、なんだあこの野郎。その言い方はーーーっ!!」
「よせ、虎丸」
仲間割れを起こしている一号生を遮って邪鬼が話を続けようとしたその時
「生きてたんだな、伊達」
「ああ」
桃が伊達に話し掛けた。死闘を交え、再会したこの二人がどのような会話をするのか気になった邪鬼はもう少し様子を見ることにする。
「傷は治ったのか?」
「おかげさまでな」
正直、桃は嬉しかった。
この一ヶ月間、桃は悔やんでいたのだ。伊達を助けられなかった事を。
だから桃は嬉しさと安心感でまだ何を話せばいいか分からず、話しが思うように続かない。
「・・・桃」
そこへ伊達が話し出す。
「この一ヶ月間、俺はずっと貴様の事を考えていた」
「俺のこと・・・?」
「というより、貴様のことを想っていた。これがどういう意味か分かるか?」
そう言うと伊達は桃を引き寄せ、顎に手を添えて顔を上へ向かせた。
「桃、俺は・・・」
「伊達?」
伊達の顔が、ゆっくりと桃の顔へと近付いていく。
桃は訳が分からず、とりあえずそのままじっとしていた。
その時
「待ったーーーーッ!!!」
天動宮の外にまで聞こえそうな大声がしたのだ。
「と、富樫っ!?」
見てみると、大声の正体は重症を負っているのに立ち上がっていた富樫だった。
驚いて桃は思わず伊達から離れてしまう。
「てめえ今桃になにしようとしやがったんだっ!」
「何ってキスだ。悪いか?」
「えっ?」
はっきりと申した伊達の言葉に桃はちょっと驚いてしまっている。
「桃」
名を呼んで伊達は、今度は逃げられぬようガシッと桃の両手を握った。
「俺はおまえが好きだ。驚羅大四凶殺、いや出会ったときからそう思ってたぜ」
「伊達・・・」
「汚ねえ手で桃にさわるなっ!」
ほだされかけている桃を見て富樫は慌てて桃を抱き寄せる。
「それだったら俺は入学式のときから桃に惚れてたんじゃっ!後から入ったてめえなんかに横取りされてたまるかっ!」
「そ、そうだったのか・・・?」
急に聞かされた衝撃の事実に桃は驚きすぎて上手く態度に表す事も出来ない。
「フッ、時間なんか関係ない。それに男の嫉妬は醜いぜ」
「なんっ・・・ガフウッ!!」
元々重症を負っていた富樫は無理がたたり、血を吐いてしまった。
「富樫っ!大丈夫かっ!?」
慌てて抱き越してくれた桃に富樫は・・・
「も、桃・・・」
ドサクサに紛れて、桃の胸を触りまくる。
誰が見てもそれが意図的だとわかるように。
「――っ!」
それを見て一番に怒ったのはもちろん伊達だ。
「貴様・・・」
「けっ!怪我人の良点ってやつよっ!」
「?」
やはり桃はよく分かっていない。
「J、これは・・・」
「三角関係、だな・・・」
「伊達・・・」
「う〜む・・・」
「・・・・・・」
これには虎丸やJ、三面拳も何も言えない。
「邪鬼さま、そろそろ話を続けた方が・・・」
「う、うむ・・・」
三号生の言葉で、思ってもみなかった展開にあっけにとられていた邪鬼も気を取り戻し、話を続ける事にした。
END
亮祐:積極的すぎる伊達氏。いくらなんでも公衆面前は・・・。
翔:だったら書くなって・・・。
亮祐:しかもこれ 、赤石先輩もいるから本当は四角関係だったり…。