「急ごーぜ、久保ちゃん。ほら」
そうやって、時任から差し伸べられる手。
「うん」
こうやって時任に触れるたびに好きなんだと自覚する。
けど
「行こうか」
この気持ちを伝える気はないよ?
だって、時任は、今はそれを望まないだろうから。
……感づいてはいるんだろうけどね?
だから
「……お腹、すいたねぇ」
「だろ?だから急ごーぜ」
当分はこのままでいてあげるよ。
…ほんの少しの間だけどね?
END
亮祐:久保時では珍しいと思う結ばれようとはしない久保ちゃんを書いてみました。
この久保ちゃんは時任が望まないからではなく自分が傷付くのが恐いから、臆病者だからいわないとも取れるかもしれない。時任が望まない理由は次の時任バージョンで。……いっそのことギャグで我慢できなくなった久保田書くかな。
BGM:『“Knockout drops”』/森川智之・石川英郎