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今日、俺と鵬子は
「平和だな……」
「そうだーねぇ」
いつもの自動販売機前で煙草を吸っていた。
「双太ってさ、今欲しいモノある?」
「ああ?」
正直、俺は驚いた。
あの無頓着な鵬子がそんな質問をするとは。
「今、明日は雪だとか思わなかった?」
「(うっ…)」
図星、だった……。
なんでわかんだよ……。
「けど、なんで急にそんなこと?」
「んー? だってもうすぐ俺らの誕生日デショ? 今年からはちゃんと欲しいもんプレゼント交換にしようと思って」
鵬子の煙草『HOPE』の煙が辺りを漂う。
そういえばそうだった。
あと2週間もすればオレと鵬子が生まれた日。
いつもはお互い適当に見繕って渡していた。
「――で、何が欲しいの?」
「あー…何ってそりゃもちろん……」
オレが欲しいモノは……
「鵬子からの愛……」
「あっそ」
冷たく返された……。
「単純だねぇー」
「そっ、そういうおまえは何が欲しいんだよ!?」
チクショウ。///
いらん恥かいちまった。///
「んー、俺? 俺はねぇ……」
鵬子はいったい何が欲しいんだろうか?
今まではバンダナだとかシルバーアクセだとかこいつが欲しそうな物をプレゼントしてきたが。(その割には貰った時はいつもフツーの態度だったが)
高いとこでジッポとか。
けど一応鵬子も女だし、服…?
「プレステ2デショ? MDカセットデショ? MDコンポデショ? MDポータブルデショ? 新しいピアスデショ?
ピアスホールキレイにするやつデショ?」
「おい……」
その多さに脱力してしまうオレ。
しかも、高いもんばっか…。
「あと生理用ナプキンも切れてたし……」
「オレにいうなよっ///」
母さんにいえってっ。///
そんくらいはフツーに買ってもらえるだろっ。///
「あとコンドーム」
「……は?」
「だから、コンドーム」
んなハッキリと……。
しかもコンドームって…あのコンドームだよな?
「……なあ、それって」
俺は吸っていた煙草をコンクリートの地面でもみ消した。
コンドームの使い道なんて一つしかない。
しかもそれをおまえへの気持ちを知ってるオレに言うってことは……。
「俺のこと、誘ってんのか……?」
それ以外、考えられない。
オレは高ぶる気持ちを必死で抑え鵬子の肩をガシッと掴んだ。
だが
「いや、全然」
「はっ?」
鵬子からの返答は全く違っていた。
「知らない? サイフにコンドーム入れとくとお金がたまるってヤツ。要するに現代版ヘビの皮」
しかもそんな理由……。
んなこと誰から訊いたんだよ……。
俺はもう項垂れるしかなかった。
結局、俺は誕生日に薬局で買ったコンドームとピアスをプレゼントした。
残りの余った中身と箱はいつかの日のためにオレが所有する事にして……。
END
亮祐:ちなみに鵬子がいってた欲しいモノは管理人が今欲しいモノ。双太がプレゼントしてきたモノとかも。学生さんはお金がないっ
のです…。あとサイフにコンドーム入れたらお金がたまるってのはクラスの女子が保健の授業でいってたこと。それを聞いた先生が「ヘビの皮か」といったときにこのネタが浮上したのです。
BGM:なし