キン肉マン原作&アニメ沿い連載夢小説「Amadeus」番外編

私はその時を待ち続けます

モドル | トジル | ススム

 ―――聞かなければ良かった。

「ウォーズマンさんも、そう思わない?」

 そう言って笑うロビンマスクの妻アリサ。

 ―――ショートしてしまいそうだ。





 風が吹く。
 周りの木々を吹き抜いて、ざあ、と音を立てて。
 イギリス、ロンドンのロビン家の庭ではウォーズマンがテラスで紅茶を飲んでいた。

「お味はどうかしら?」

 ロビンマスクの妻、アリサと一緒に。

「お、おいしいです……」
「よかった」

 それを聞いてアリサはニコニコと笑う。
 それとは裏腹にウォーズマンは居心地が悪かった。
 ロビンマスクがいればまだ良かったのだが、生憎彼は別件で邸を出ていた。

「それにしても、ごめんなさいね? ウォーズマンさん」



「あの人の事だから、昨晩は明け方まで抱かれ続けたんでしょう?」

 身も蓋もない言い方に思いきりお茶を噴き出した。
 しかも当たっていた。
 実は、ロビンマスクという男はアリサという妻がいながら、同じくらい弟子であるウォーズマンのことも愛している。
 更に言うとブロッケンJr.と、手出しこそしていないがキン肉マンもだ。
 更に更に言うと昨日皆で演じた劇「赤ずきん」で赤ずきんを演じた少女のことも。
 ちなみにウォーズマンが明け方まで抱かれ続けたのは昨日の劇でロビンマスクを置いて逃げた事が原因だったりする。
 そして、アリサはそれを全て承知している。
 ウォーズマンの居心地の悪い理由はそれだった。

「あら。大丈夫?」
「だ、大丈夫です……」

 そう答えたが、正直ショートしそうだった。
 アリサは紅茶を置いて、ウォーズマンに話しかける。

「ヴォーズさんは変だと思います? 私のこと」

 変わらない、穏やかな彼女の声。
 けれど、その空気は若干変化していた。

「夫が他に好きな人がいるのに承知して容認して、しかも相手の方とこうやってお茶を飲んでる。普通なら出来ないでしょうね」
「アリサさん……」
「勘違いしないで下さいね? 遠まわしに責めてる訳ではないの。ロビンは他に好きな人がいるけど私の事を愛してないわけじゃない。私もウォーズさん達も同じくらい愛してる。ただそれだけのことなの。それに」



「私もロビンの他に好きな人がいるもの」

 その発言に再び思い切りお茶を噴き出した。

「ごめんなさいね? 驚かしてしまったようで」
「い、いえ……」

 答えながらとにかく冷静になろうと深呼吸をする。
 正直、いつ回路がショートしても不思議じゃなかった。

「出逢ったのはロビンが超人としてデビューした年、超人オリンピックの直前だったわ」

 そう言いながら向こうにある薔薇園を見るアリサの瞳。
 思い出しているのか、その視線は絵画を愛でたり、彫刻を見つめる視線に似ていて。

「ロビンがラグビーの練習を終えた時に、あの人は現れて」

 心臓をわしづかみにされたようだった。
 この世の者とは思えぬその美貌。
 誰をも恍惚と魅了せしめるその美しさ。
 おそらくロビンも同じ思いだった。

「だから、ロビンもあの人に恋をしたの」
「ロビン、も……?」
「ええ」
「アリサおねえちゃん! ウォーズおにいちゃん!」

 向こうから少女が走ってきた。
 漆黒の髪、紫電の瞳。
 昨日の劇で赤ずきんを演じた少女だ。

「遊びに来たよ!」
「まあ、嬉しいわ」

 アリサは少女の両の頬に手を添えて笑う。
 ウォーズマンもよく来たねと、そっと少女の頭に手を置いた。
 少女も嬉しそうに笑う。

「おねえちゃん、バラ園のバラ、つんでもいい?」
「ええ、もちろん。棘には気をつけてね」
「うん!」

 返事をすると少女は再び駆け出していった。
 そして薔薇園へ到達するといわれたとおり棘に気をつけて慎重に薔薇を積み始める。
 その様子を見ながら、アリサは話しを再開する。

「私達は待ち続けたわ。最後にあの人が残した言葉を信じて。待って、待って、待ち続けて。そして会えたの」



「過去の、あの人に」

『夢で行くことが出来るの。過去にも、未来にも』

 ウォーズマンの頭の中に思い当たる人物が浮かんだ。

 ―――いやいやいや。
 ―――ありえないだろう。

 それすぐに頭から追い払払われた。
 だって頭の浮かんだそれは絶対有り得ない筈だから。
 けれど、アリサの視線は―――。

「だから後は、その時を待つだけなの。あの人が、過去の私達と出会う未来を」

 その眼差しは、先ほど話し出したときに見せたのと全く同じで。

「あの人は―――。いいえ。あの子は美しく成長するわ」



「誰よりも美しい、女性に」

 そこまでいうと、アリサは視線をウォーズマンへと戻した。

「ウォーズさんもそう思わない?」

 そして、にっこりと微笑んだ。
 ウォーズマンは固まりながらもゆっくりと頭の向きを横へと動かした。
 向こうの薔薇園では少女が笑っている。
 少女は何も知らない。
 今ここでどんな会話がなされているのか。
 ロビンや他の超人だけではなくあり差にまで囲まれて、この先少女の未来がどうなるのか、ショート寸前のウォーズマンにはそれを考えることすら出来なかった。





END


亮祐:管理人です。ものすごい時間がかかった上に初のロビウォがこんなことに。
翔:ロビウォよりもアリササンメインだろ、これ。
亮祐:これはあれですな。別館でアリサさん出したら喰われちゃうから出すなってことで。
翔:そもそもBL小説で女性を出す意味はないだろう。
亮祐:えー、ロビウォ前提でウォズ&アリサさん、そして夢主1。被害者はウォズさんでした。ではこの辺で!εεεεεヾ(*´ー`)ノトンズラッ


BGM:嵐ヶ丘 ストリングver./ALI PROJECT

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