真夜中のブロッケン低に、子供の泣き声が響いた。
「「「「「!?!?!?」」」」」
其々の部屋で寝ていた血盟軍メンバーが飛び起き、慌てて声がした部屋へと同時に駆けつける。
「「「「「ちゃんっ!!」」」」」
部屋の扉を勢いよく開けた。
そこにはただ泣きじゃくる白いフリルをあしらったパジャマを着ている少女がいた。
少女の名は。
元々弟のと共にキン肉スグルの元に居候していた。
彼が大王の座を就任してキン肉星に帰ることになった時、まだしばらく居たかった二人も家に帰ることを選んだ。
けれど逆にしばらく地球に残ることにしたキン肉マンソルジャーことキン肉アタルのどうしてもという要望により血盟軍メンバー滞在地となってしまったドイツのブロッケン邸で預かることになった。
ちなみに少女が着ているフリルのパジャマはアタルが選んだ物である。
「どうしたんだ、ちゃんっ!」
「遂に変態に襲われたかっ!?」
「何っ!?ちゃんを襲った変態はドコだっ!!私のナパーム・ストレッチで粉砕してくれるわっ!!」
「アンタだ、ソルジャー」
「何ィっ!?私がちゃんを襲ったのかっ!?」
「拙者達と共に部屋に入った以上、それはないでござるよ、ソルジャー。落ち着くでござる」
周りが混乱する中、ただ一人冷静なザ・ニンジャが周りを静めた。
「おそらく怖い夢を見たのでござろうな。それで起きて泣き出したのだろう」
「さ、ちゃん。よしよし」
どさくさに紛れてアシュラマンは今だ泣きじゃくるを抱きしめてあやしてやる。
「あっ!どさくさにまぎれやがってっ!」
「ずるいぞ、アシュラマンっ!リーダーの私を差し置いてっ!」
「おまえ達に任すほうが不安だ」
アシュラマンの言う通りこの二人に任すのは不安であった。
いや、寧ろ危険である。
この二人に任したら最後、どさくさに紛れてナニをするかわかったもんじゃない。
現にバッファローマンは前科者だ。
その時、思いもしない出来事が起こった。
「イヤッ!」
―――メキョッ!!
泣きじゃくるだけであったがあやしていたアシュラマンの頬を殴った。
「大丈夫か、アシュラマンッ!」
「〜〜〜〜ッ……」
心配するブロッケンJr.をよそに殴られた頬を抑えてその場で悶絶するアシュラマン。
いくら超人といえど今のはかなり痛かったようだ。
「ど、どうやら寝ぼけているようでござるな……」
「寝ぼけたパンチは強烈だからな……」
「では私が……v」
ニンジャとバッファローマンが呆けてるのを良いことにアタルが悦な表情でを抱きしめる。
けれどアタルにも同様の出来事が起こった。
「イヤッ!」
―――バコォッ!!
やはりまだ寝ぼけているに、今度は顎を蹴り上げられた。
「グ、グム〜……v」
「ソルジャーッ!」
「(何でハートなんだよ…)」(汗)
「アタル殿でも駄目でござったか…」
倒れこむアタルを見ながら各々の言葉を言う三人。
このままではどうにもならない。
いちかばちか、バッファローマンとブロッケンJr.も近付いてみる。
「ちゃ……」
「イヤッ!」
―――バコォッ!!
「バッファローマンッ!……よしよ」
「イヤッ!」
―――メキョッ!!
結果は惨敗だった。
唯一残ったニンジャも意を決したその時、がこちらを向き手を伸ばしてきた。
「おか〜じゃ〜んっ」
そう言いながら駆け込んで抱きついた相手は、勿論唯一残っていたニンジャで。
突然の出来事にニンジャは硬直し、何とか復活していたアシュラマンは二人を交互に見るしかない。
己だけ殴られなくて良かったと思うべきか
寝ぼけているとはいえど男なのに母と間違えられたことを悲しむべきか
その時、少し遅れたが入ってきた。
「何があったんだよ……」
今だ泣きじゃくると呆けるニンジャとアシュラマン、今だ起き上がれないバッファローマンとブロッケンJr.。
そして悦な表情のまま倒れているアタルを見てそう呟くのは当然のことだった。
翌日、寝ぼけていたがこの事を何も覚えていなかったのは言うまでもない。
END
亮祐:管理人の亮祐です。今回「復活遅れてます。ごめんなさい小説」ということで今作を発表しましたがいかがだったでしょうか?いえることは確実に好き嫌いが分かれるブツとなってしまいました。特にアタルファンとバッファローマンファンには申し訳ない……。
翔:寧ろ表にアップするのもどうかと思うぞ?
亮祐:そして朝1時半から3時というハイスピードで書き上げ大急ぎでアップしたので確実に誤字脱字があると思いますので見つけた方はご提示の方お願いします。ちなみに某投稿雑誌2004年9月号に載っていた漫画家主婦の実録子育て漫画が元ネタです。今作は元々現在執筆中のキン肉マン連載夢小説の一つで、背景は原作の王位争奪戦編後、要するに原作後です。
子供二人には実はちょっとした秘密があるのですが、今作ではそれも皆に打ち明け済後となっております。本当なら第一話をアップした方が良いのでしょうがまだ第一話完成してなくて……。そのかわり第二話と第三話は完成しているという……。
翔:順番通りにとは言わないからせめて第一話から書けよ。
亮祐:最後に「血盟軍の……」に続く言葉は「お母さん」です。女性管理人の個人肉サイトの影響受けすぎですな……。ちなみにアタルとバッファローマンの二人は本気で蹴り上げられております。勿論無意識で(笑)ではこの辺で失礼を。
BGM:『仔犬のワルツ』/千住 明