その他の組織


 盗賊ギルド/ThievesGuild

 リューンスラム(城壁内部)に存在する組織で、スラム内や下水道内にいくつものアジト的施設を持っている。これはいくつかのマフィアの連合体であり、マフィア間の水面下での抗争も存在する。ただし、マフィアに所属しないギルド員もいる。
 ギルドの役割は、ギルド員以外が『仕事』をしないように見張ることであり、ギルド員は、ギルドから仕事を受けることもできる。逆に、盗賊ギルドに加盟しないマフィア、盗賊はギルドに潰される。また、情報の販売や違法な技能の指南も行っている。ちなみに、売春宿を管理したり、賭場を開くのは個別のマフィア単位でやっており、ギルドによる厳しい内部規律が定められている。
 アルストール帝国では、マフィアによる高額の献金(これらは民衆の場所代である)と反体制派の鎮圧を条件に、盗賊稼業の合法化と独占を容認している。
 

 精霊宮

 祭儀の執行(精霊魔法)によって、精霊の加護を受け(コントロールし)、災害を防ぐ施設。帝国の殆どの大都市に設置されている。その他、精霊を使役する魔法や技能を教授する。関係者はどちらかというと女性が多い。最強の精霊使いもレベル7の女性である。これは繊細な女性の方が、精霊と心を交わしやすいためである。精霊宮は純粋なギルドではなく、国家からの干渉も多い。精霊宮のトップは皇帝が指名し、法王が拒否権を持つ。
 聖北教会の影響の強い帝国では、アニミズム色はかなり低くなっている。ゆえに、ここで学べるのは、地水火風及び光の元素魔法だけである。

精霊と自然災害
 下位精霊は知能が低く、本能のままに世界を自分の要素で染めようとする。つまり、火の下位精霊は火事を起こして物質界を炎だらけにする。また、高位精霊は大量の 下位精霊を使役して、火山噴火などを起こすことができる。そのため、高位精霊の機嫌を損ねると、大災害が起こる危険がある。そのため、精霊宮の巫女は精霊魔法を使って、 下位精霊に一定の目的を与え、災いが起きないようにする。また、高位精霊と親しく交わることで自然災害を防ぎ、更には加護を得ることも可能である。


 下水道ギルド

 アルストール帝国全土の下水道を建設、管理する組織。敵が地下から侵入する危険性もある訳で、都市地下の安全は彼らに握られているとも言える。入会するには、既存のギルド員の推薦が必要である。そして、ギルド員は互いに便宜を図る事になっている。構成員は必ずしも下水道関係者とは限らない。コネ目的の商人や貴族、リューン下水道の遺跡目当ての魔術師などもいる様である。陰で帝国に影響を与えている組織ともいえるだろう。逆に、下水道職員全てがギルド員である訳ではない。金の無い連中がギルドの成員になるためには、それなりの技術と知識を必要とする。
 組織は秘密主義であり、幹部ですらメンバー全員を把握していない。そのため、彼らはギルド員だけに分かるサインを用いて、仲間かどうかを判断する。
 

 賞金稼ぎギルド

概要
 アルストール帝国は、秩序維持のためのひとつとして、賞金首制度を合法化した。そのために半公営団体である賞金稼ぎギルドが存在する。
 ギルドの仕事は、賞金首の登録や管理、報酬の支払い以外に、賞金稼ぎの登録があげられる。正規の賞金稼ぎギルドに登録することにより、賞金稼ぎの証としてバッジが与えられる。このバッジ自体は実は大した効力を発揮しない。しかし、これを見せることにより、一部の機関などで優遇されたりする可能性は少しだけある。賞金稼ぎの登録時に、簡単な素行調査が行われる。しかし、何分情報力の乏しい世界なのでザルである。あっさり通ることもあれば、延々と放置される場合もある。そういう意味では、名の通った冒険者や宿のメンツは有利である。
 通常「生死問わず」ギルドの窓口に賞金首を突き出せば、規定の報奨金が支払われる。これは大事なことだが、賞金は「賞金首を持参した者に支払われる」のであって、賞金稼ぎとしてギルドに登録しておく必要はない。当然だが、賞金首にかかっているものが、他の賞金首を持参しても報酬は支払われないし、通常は逮捕か処刑されるだけである。

懸賞金制度について
 懸賞金は、賞金首をかけるために、ギルドに持ち込んだ者が用意する。通常手数料として30%(これは標準。場合によって多少変動する。調査に多額の費用がかかった時など)をギルドが手数料としてとるため、残りが懸賞金となる。例えば、総額5,000spの供託金が納金された賞金首は3,500spの賞金首となる。
 基本的に、供託金を持ち込まれた場合、1週間程時間をかけてギルドはそれが賞金をかけるに相応しいか、その金額が相応しいかを調査する(なお、この間、供託金はギルドが預かっている)。その結果、相応しいとした場合、供託金を受け取り、手配書を発行する。手配書が刷られ、各地のギルドや冒険者の宿に配布される。この手配書発行に経費がかかるため、供託金は一口1gpからとなっている。

懸賞金の相場
 懸賞金には基本的にランクがあり、これ以上金額が吊り上げられることは基本的にはない。基本的なギルドの方針としては、この金額を超えるような懸賞金になるような供託金を受けることはない。
 ギルドは、賞金首の結果について、依頼者に直接知らせることはしないが、尋ねられれば答えるし、張り紙に「死亡」「捕縛」などの情報を書き殴ることはする。
 ゲームデータ的な処理としては、NPCの懸賞金の相場は、例えば4レベルの山賊頭領の懸賞金の相場は、1600sp程度で、高い場合で2000sp、少なければ1000sp程度だと思えばいい。ただし、デビュー直後の賞金首は不当に低い評価を受けている場合がほとんどである。
 建前上、賞金首として登録されるのは凶悪犯罪者のみである。また、賞金首は人間(ライカンスロープ含む)や亜人、妖魔を対象としている。それ以外の獣や魔物が登録されることはほとんど無い。これらは魔物退治などは冒険者の役目である。ただ、人外のものが人間に化けて悪事を働いた結果、とんでもないバケモノが賞金首になっているというケースはありうる。
 懸賞額は時にかなり膨大な金額になるが、経費の類は一切出ないため、それほど割にあう仕事ではない。
ランクS【30000sp】……非常に凶悪。帝国をあげて取り締まるべきである。
ランクA【20000sp】……かなり凶悪。帝国をあげて取り締まるべきである。
ランクB【10000sp】……相当に凶悪。
ランクC【5000sp】……凶悪。
ランクD【2000sp】……小さな山賊団の頭領クラス。
ランクE【1000sp】……小物。

ギルド外の賞金稼ぎ
 マフィアや盗賊ギルドなどが賞金首をかけることがある。建前上、これは賞金稼ぎギルドとは一切関係が無い(という建前)。また、帝国政府や教会、学連が直々に賞金を懸けることもある。これらの場合は民間とは違い報酬は破格であることも多いが、国家規模の犯罪者(大抵はレベル6以上)であることもほぼ確実である。どちらにせよ、直接依頼されるのでもない限り、経費は出ない。
 

 ヴァンパイアハンターギルド

概要
 教会や聖騎士団とは別にヴァンパイアを駆る組織が存在する。
 ギルドの仕事は依頼者とハンターとの仲介、ハンターの登録などがあげられるが、組織の人間を監視する役目も担っている。正規のヴァンパイアハンターギルドに登録することにより、ヴァンパイアハンターの証としてロザリオが与えられる。このロザリオは、ヴァンパイア退治に使われるが、ハンター同士を見分ける為のものでもある。ヴァンパイアハンターの登録時に、簡単な素行調査が行われる。しかし、何分情報力の乏しい世界なのでザルである。あっさり通ることもあれば、延々と放置される場合もある。

依頼について
 依頼は依頼者から直接くるものとギルドからくるものの二種類に大別できる。
 報酬は、通常手数料として10%(これは標準。場合によって多少変動する。調査に多額の費用がかかった時など)をギルド運営に、そして残りを依頼を完遂した者の報酬となる。例えば、総額5,000spの供託金が納金された場合、4,500spが報酬となる。
 基本的に供託金を持ち込まれた場合、ギルドはそれが賞金をかけるに相応しいか、その金額が相応しいかを調査する(なお、この間、供託金はギルドが預かっている)。その結果、相応しいとした場合、供託金を受け取り、その依頼にあった力量の者と人数を揃え、依頼地に送る。
 依頼者から直接受け取った場合は二通りある。1つは一度ギルドに行き、持ち込まれた場合と同じ通りにする場合。もう1つは、受け取ったハンターがそのまま依頼を遂行し、法主を受け取ってギルドに事後報告する場合である。この場合もギルドに報酬金を預けて10%をギルド運営に、そして残りを依頼を完遂した者の報酬となる。

懸賞金の相場
 報酬金額は、主に拘束時間と危険度(そしてクライアントの財布事情)に応じて決定される。いずれも予想や予定によるものであるため、大きな誤差が出た場合追加報酬などが出る場合もある(因みに危険度というのは対峙する吸血鬼の危険度ではなく、クライアントから見た危険度であることに注意。つまり、危険度Cのはずの任務が、実質Aクラスの任務だったという場合もある)。
 懸賞額はかなり膨大な金額になる。経費の類は自己負担で一切出ないが、 それでも巨万の富を得ることも夢ではない。しかし吸血鬼と対峙するという、いつも死と血が纏わりつくおぞましくも危険な仕事故、ハンターを続けるものは少ない。続ける人間は、余程自分に自信がある者か、酔狂を通り越すほどの馬鹿である。

ヴァンパイアハンターの装備
 基本的に冒険者と似たような装備である。これらはレベルが上がるほど一般に上質なモノになっていくが、内容自体はさほど変わらない。下記はハンターが普通に持ち歩いている装備を列挙している。

 森林警備隊

 トラキア周辺の森を巡視する自警組織。隊員達は本業の合間に森林内を巡視する(つまり、多くの者が副業)。資金はトラキア評議会から出資されている。そして、不足分を冒険者などへの技能販売で補っている。全部で7小隊存在する。5小隊が交代で森林内の巡視に当たっており、2小隊が交代要員である。本部はリューン南東へ徒歩2日の勇気の森に存在し、警備隊長はエミリオ・ジャン・ペルシェである。
 

 図書館

 この世界の印刷技術は未発達であり、多くの場合、写本を行って本を増やしている。そのため、本は貴重な財産である。図書館は本を読む場所と言うよりも、本を保管する場所となっている。貴重な本は鎖で繋がれており、それ以外の本を借りるには利用者本人の所有する本を担保にするか、いくばくかの保証金を支払わなければならない。
 大規模なものは『学校』にある図書館だろう。多くの貴族がここに本を寄贈している。その他、貴族たちによる豪華本を集めた個人図書館、修道院による小規模な図書館が存在する。
 

 雑貨店

 傷薬などを売っている店。リューンではクロフォード商会の力が強い。冒険者ギルドと繋がっており、冒険者が見つける『価値ある発掘品』を捨て値同然で買い取り、好事家連中に凄い額で売りつけているらしい。