風俗


 麻薬

 地球での麻薬定義はともかく、この世界では一般に習慣性のある薬物を麻薬として取り扱う。ここに書いてあることを鵜呑みにしてはいけない。大麻以降の麻薬は日本国内では所持するだけでも違法になる廃人製造機である。注意されたし。

 酒/Alcohol

 アルコール類は帝国でも広く流通している。地域によっては飲料水の事情が悪いため飲み水代わりに扱われているケースもある。
 帝国内で代表的な酒類としては、エール(上面発酵のビールのこと)、シードル(リンゴ酒のこと)、ワイン(ぶどう酒)、ウィスキー(穀類ベースの蒸留酒。麦が一般的)、ブランデー(果実ベースの蒸留酒。普通は葡萄を使用)などがあり、それぞれいくつものブランドがある。

 煙草/Tobacco

 熱帯、温帯でのみ自生できる。葉を乾燥させて嗜好品として用いられるが、煎じた汁を殺虫剤として使用することもできる。

 大麻草/Hemp

 大麻には麻酔作用、幻覚作用があり、鎮静効果もある。葉や花穂を乾燥させて喫煙する。
 非常に繁殖力の高い植物で、主にロープや布の材料として栽培されている。また、その実は毒性を持たず、栄養豊富であるため、食用にもなっている。

 阿片/Opium

 ケシの未熟な果実に傷をつけた時に分泌する乳状液を乾燥して得るゴム状の物質。鎮静剤、鎮痛剤としての作用を持つが、非常に依存性が強く、幻覚症状を伴う禁断症状を持つため、帝国内ではその所持を制限されている。
 高度な精製技術を施すことによって、麻薬成分の純度を上げ、効果を増幅させることも可能であり、マフィアの資金源となっている場合もある。

 コカ/Coca

 コカの葉を直接咀嚼する形で使用する。疲労回復、抵抗力増大効果を持つが、正常な判断能力を低下させる作用も持つ。
 精製することで、興奮剤、幻覚剤としての効果が非常に高い危険な麻薬となる。
 精製コカを聖十字軍内で使用していた時期もあったが、副作用が強く、僅かな量でも死に至る危険な麻薬であること、依存性も高いことから、現在帝国内では精製コカの精製、所持、使用は完全に禁止されている。

 性風俗

 

 売春と売春宿

 聖十字教会の“施し”の一環として、帝国領内において売春は基本的に合法的である(自治領内において規制されている可能性はある)。

 素人娼婦

 世界の生産力自体は、現実の中世ヨーロッパよりは高いものの、貧富の差が激しいことには間違いないため、食うや食わずの生活を送る者は多い。そういった家庭の女性は肉体を売って生計を立てているケースが少なくない。
 時にはこういった娼婦のために修道院が売春宿を用意することすらある。これは、聖十字教の教えが「富める者は貧しい者へ施すべきである」という考え方を持っているからに他ならない(実際には利権なども絡んでくるが)。
 素人娼婦は稼ぎを自分で独占できる代わりに、様々な危険に曝されている。病気など以外にも変質的な客に殺されたり、マフィアの縄張りで『商売』したためにトラブルになったりなどリスクが高い。そのため、本格的に稼ごうという職業娼婦はどこかの売春宿に所属していることが多い。

 売春宿とマフィア

 都市部では、売春宿をマフィアが仕切っていることが多い。農村部の売春宿は土地の領主が経営していたり、教会(修道院)が経営していることもある。街道沿いの立地条件が良い売春宿は十中八九マフィアの息がかかっていると見てよい。
 プロの娼婦は、基本的にどんなサービスでも行う。大体約1時間で売り買いされ、稼ぎの大半は宿(マフィア)に吸い上げられる。その代わり、危険な目にあう可能性は(宿に所属している限り)非常に少ない。これはマフィアの後ろ盾があるからと、直接マフィアから宿に用心棒が派遣されるからである。マフィアにとっても娼婦は大事な商品であるため、ルールを破らない限り大切に扱われる。

 賭博

 

 犬レース

 地球で言うところの競馬の犬版である。大きな都市でしか見かける機会はないが、複数の犬の到着順位を争うものである。もちろん、犬主としてレースに出場させて優勝を狙うこともできるが、多くの者は出場した犬に懸ける。また、犬レース予想屋なども存在する。
 犬レースは非常にギャンブル性が高く、これで破産する者も沢山いる。

 闘技場

 闘技場の試合は、そのまま賭博になっている。なお、闘技場施設自体は帝国内でも非常に少ない。

 闘犬、闘鶏

 比較的大きな町になると、非公式な闘犬場や闘鶏場が開催されていることがある。

 その他の娯楽

 

 祭り

 帝国には様々な祝祭日が存在する。その多くは聖北教会の伝統に根ざしたものである。ただし、その中に土着宗教の痕跡が残っている場合が多い。祝祭日には祭りが行われ、民衆にとっての数少ない娯楽となっている。

 大道芸

 大道芸者たちが町々を巡回し、人々を楽しませている。派手な服を着た楽士やクマによる曲芸、珍しい動物を見せる見世物屋などが挙げられる。

 吟遊詩人(バード)

 諸国をめぐり、神話や伝説をバラッド(英雄叙事詩)にして物語ったり、俗謡を奏でる者たち。場合によっては、恋愛話や騎士物語を歌うこともある。身分は低く、一般大衆に娯楽を提供する。冒険者の宿にもしばしば訪れており、歌技能を教授してくれることもある。

 歌人騎士(トルヴァドール)

 貴族の宮廷や居城を回り、騎士の武勲や恋愛を歌う者たち。騎士、もしくは下級騎士の階級を持っており、支配階級向けの娯楽芸術を提供する。

 狩猟

 貴族にとっては、狩りは生計を立てる手段ではなく、娯楽と言える。相棒に犬や鷹、梟などを利用し、弓で獲物を射止める。しばしば、貴婦人たちも見物のために同行している。

 浴場

 貴族たちは住まいの浴室で入浴する。庶民も家に浴室はあるが、公衆浴場も利用する。浴場にはサウナ風呂、温水・冷水浴がある。ほとんどが混浴であり、男女にとって、格好の社交場になっている。

占い売春宿とマフィア

 聖十字教会において、占いは偶像崇拝として禁じられていた。それは聖北教会にも受け継がれている。だが実際は、民衆、貴族問わず幅広く行われている(花びら占い、タロット占い、アップル・ボビング、麻の実占いなど)教会が民間伝承を黙認している事と魔術学連の影響のためである。また、修道院で星占術や手相術を研究する者も多い。これらは純粋な科学と見られているためである(ただし、厳格派はこれも忌避する)。勿論、悪魔の力を借りる占いは禁忌とされる。